今日の原油は9/1

9月1日の記事
原油市場
 昨夜のNY原油は、EIA週間石油在庫統計の発表を受けて大幅安となりました。現在のドル円は、昨日15:15比で10銭ほど円安です。
 昨夜発表のEIA週間石油在庫統計は、原油が92万バレル増予想に対して230万バレル増となりました。ガソリンは69万バレル減、ディスティレートは150万バレル増でした。この2か月間の原油在庫は、比較的横ばいを続けております。一方、この2か月間のガソリン在庫は減少傾向、ディスティレート在庫は増加傾向を続けているものの、これは季節的要因といったところでしょうか。230万バレル程度の原油在庫の増加発表で昨夜のNY原油が大幅下落となったことに疑問に感じた投資家も多いのではないでしょうか。NYの内部要因の悪化や、増産凍結協議に向けた不透明感が昨夜の原油市場を圧迫したのかもしれません。
 NY原油におけるファンドの買い越し枚数は、この3週間で約32%も増加し、5月中旬に記録した過去最高の買い越し枚数まであと1万5000枚程に迫っております。また、NY原油オプション取引におけるファンドの買い越し枚数は、8月23日時点で過去最高となりました。増産凍結協議の開催決定を受けてNY原油市場におけるファンドの買い越し枚数が3週連続で大幅増加となり、それがNY原油の内部要因を悪化させているようです。
 9月26~29日に開催予定の増産凍結協議に対して、イランやイラクサウジアラビアの動向が不透明であることもNY原油を圧迫しているようです。サウジアラビアの石油相は昨夜、「原油需要に関しては心配していない。中国からの需要は非常に順調だ。サウジアラビアの原油生産の目標は設定しておらず、原油生産は需要に合わせるべきだ。」と述べております。一方、イラクの石油相は8月27日、「イラクは、埋蔵量に見合ったシェアを維持しつつ、原油相場下支えに向けてOPEC内で積極的な役割を果たす。」と述べております。また、イラクのアバディ首相は8月23日、増産凍結協議に対して、「我が国は前向きではない。なぜなら本来の原油生産をまだ下回っているからだ。」と述べております。そしてイランの石油相は、同国原油生産が経済制裁前の水準まで回復する必要性を何度も述べてきました。こうしたイランやイラクサウジアラビアのこれまでの要人発言を考えると、9月26~29日に開催される増産凍結協議が難航することも考えられます。そして、NY原油の昨夜の大幅下落を受けて、テクニカルが悪化したことも注目でしょう。